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正法眼蔵 古鏡 38

雪峰義存禅師と玄沙師備禅師の問答に関連して道元禅師の注釈は続きます。

個々にありのままのモノが素直に見えて来ると言う事は、他人がどうであろうとも自分自身が自分の立場をはっきりとつかんで私の立場はこれだという生き方をする事に他ならない。

玄沙師備禅師が百雑砕(一切の事物が個々バラバラに砕けてしまいます)と言われたけれども、その言葉の意味は時代を経た価値のある鏡を指しているのであろうか。曇りのない鏡を指しているのであろうか。さらにその点についてもう一言ご説明願いたいという状況であろう。

この点では、古鏡を問題にしているのでもないし明鏡を問題にしているのでもない。古鏡、明鏡と言うモノは、質問してそれに対する答えが得られるかもしれないけれども、玄沙師備禅師がこの言葉で言いたいと思っていた事を推察してみる場合、

砂、小石、垣根、壁とかという言葉で、外界の具体的な事物を一例として挙げているわけで、外界の具体的な事物が自分以外のものとしてそこにあると言う事だけを捉えた立場で「百雑砕」と言う言葉を使っているのであろうか。

そのように個々の事物というものが具体的に見えてくる様子というものは、一体どういう事であろうか。途轍もない長い時間を経た、非常に深くて真っ青な水をたたえた古い川、淵にポッカリと月が空に浮かんでいる情景である。

※西嶋先生解説
ここまでくると言葉の説明ではとても追いつかないと言う事を感じられたから、「非常に深くて真っ青な水をたたえた古い川、淵、そういうところにポッカリと月が空に浮かんでいる情景である」と言われた。こういう表現になってくると、理屈でさらに説明しようと思っても、どうにも説明が出来ないという事であろうかと思うわけであります。


                 
          ―西嶋先生にある人が質問した―

質問
東京大学仏教青年会刊の中での先生の論文の記述で、先生の四諦論がちっとも敷衍しないという事なんですけれども本当ですか。

先生
これはね、行動を重視した思想がないからですよ、行動を重視した思想が仏教思想なんです。ただ今日、仏教を理解する場合には頭の中で考えてどうこうという理解が殆どなんです。そのことは別の言葉でいえば、坐禅をしながら仏道を勉強するという態度がほとんどないんですよ。仏教の研究の世界の中でその事が一番の基本原因だと思います。

質問
仏教関係の大学はいろいろ各種の大学がありますけれど、そういう大学の教授連中の研究課題としてそういう事は取り上げられないんですか。

先生
その点では、仏教を学問的に研究しておられる方々と修行専一で学問をされない方々と二派に分かれてるんです。だから坐禅をしないで仏教の勉強だけしておられる方々は、「西嶋の議論は素人考えだ」と、こういうふうな見方をするわけです。それから坐禅だけをしておられる方々は「あれは理屈だから、取りあげるに足りない」と見ておられる。そういう事が実情だと思います。

質問
そうすると現在の仏教関係の大勢のお坊さんその他いろいろ関係者がいますけれど、何万といるわけですがそれで満足しているという事は現状で満足してちっとも不満も刺激も感じないからですか。

先生
うん、そういうふうな事情はあると思いますよ。というのは仏道という思想そのものが本当の意味で取り上げられているかどうかというと疑問な面があると思います、今日の情勢は。単に理論として取り上げられている場面と理論抜きの実践として取り上げられている場面と二派に分かれているんですよ。

そうすると、両方をつなぎ合わせたところに四諦論をどう考えるかという立場が出てくるわけで、だからそういう点で四諦論が問題にされるのは今後だと思います。

質問
一年ぐらい前ですが「大法輪」という雑誌に先生のやはり四諦論を中心にした論文が載りましが、ああいう雑誌に載ってもあんまり反響はないんですか。

先生
まあ、ないですね。


最後までお読みいただきありがとうございます。
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「正法眼蔵」は仏道を勉強する上において「なぜ坐禅をやらなければならないか」という事を事細かに疑問の余地のない形で詳細を述べておられる。だから「正法眼蔵」を読んで仏道の理論的な側面を勉強しながら自分自身で坐禅をやるならば、仏道修行においては欠けているところはない。―愚道和夫老師―

プロフィール

幽村芳春

Author:幽村芳春
70代女性。自営業。自宅で毎日朝晩坐禅をして、愚道和夫老師が講義された道元禅師著「正法眼蔵」を毎日ブログで紹介しています。愚道和夫老師より平成13年「授戒」平成20年「嗣書」    

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