カテゴリ:75・転法輪のエントリー一覧
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正法眼蔵 転法輪 6
釈尊の言葉に関連して祖師方が述べられた考え方を取り上げた道元禅師の注釈は続きます。今ここで取り上げた一句「一人の人が真実を発揮してその本源に立ち返るならば、あらゆる方角に広がっている空間というものがすべて消滅し抜け落ちてしまう」という言葉に関連しても、この言葉を取り上げられたという事は釈尊が六年間の修行を終えられたある朝、明けの明星を見ておられたときに、この世の真実を掴まれたと言われているような例...
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正法眼蔵 転法輪 5
釈尊の言葉に関連して祖師方が述べられた考え方を取り上げた道元禅師の注釈は続きます。今ここで取り上げた一句「一人の人が真実を発揮してその本源に立ち返るならば、あらゆる方角に広がっている空間というものがすべて消滅し抜け落ちてしまう」を他の文句と比較して論じてはならないという基本的な原則については様々の理由があるけれども、その様々の基本的な理論の中でもその一つを今ここで取り上げてみよう。この転法輪という...
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正法眼蔵 転法輪 4
釈尊の言葉に関連して祖師方が述べられた考え方を取り上げた道元禅師の注釈は続きます。銘記せよ。一般の人々が仮にも仏道の真実を得たという事を乗り越えたならば、彼らは直ちに仏道における真実を得られた諸先輩でありあり弟子であり、仏道において真実を得られた祖師方と同じような皮、肉、骨、髄を持った人々であるということが出来る。この様な境地に達した場合には、従来の仲間を仲間として保持し続けることはなく、真実を得...
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正法眼蔵 転法輪 3
釈尊の言葉に関連して、祖師方が述べられた考え方を取り上げた道元禅師の注釈は続きます。しかしながら、今ここで現に五祖法演禅師、仏性法泰禅師、亡くなった自分の師匠である天童如浄禅師などが、いずれもこの言葉を取り上げて論評された。この様な事実から、この「一人の人が真実というものを発揮してその本源に立ち返るならば、あらゆる方角に広がっているところの空間というものがすべて消え失せてなくなってしまう」という言...
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正法眼蔵 転法輪 2
釈尊の言葉に関連して祖師方が述べられた考え方を取り上げて、道元禅師が注釈されます。今ここで取り上げたところの「一人の人が真実を発揮して、その本源に立ち返るならば、あらゆる方角に広がっている空間というものがすべて消滅し、抜け落ちてしまうという言葉は「首楞厳経」と呼ばれる経典の中に説かれている言葉である。そしてこの言葉についてはかつて何人かの祖師方が取り上げて論議されてきた。この様に過去の祖師方(天童...