カテゴリ:73・三昧王三昧のエントリー一覧
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正法眼蔵 三昧王三昧 10
中国における最初の仏教教団の指導者であったところの菩提達磨大師は、西方インドから中国に来られた最初から、嵩山の少室峰にある少林寺で壁に向かって坐禅をする期間が九年間を経過した。この様に達磨大師が中国において坐禅の修行をされたところから、それ以降、仏道の最高のものである坐禅によって得られるものの考え方やものの見方が中国のあらゆるところに行き渡っている。達磨大師が中国に何を伝えられたかと言うならば、坐...
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正法眼蔵 三昧王三昧 9
釈尊の説法(大智度論より引用)について道元禅師の注釈は続きます。このようなところから釈尊は常に足を組み、手を組み、背骨を伸ばして坐禅をするという生活を続けられた。沢山の弟子方に対しても、足を組み、手を組み、背骨を伸ばして坐禅をするという事を教えられた。※過去七仏以来、正しく伝承してきたところの心境とは、まさに足を組み、手を組み、背骨を伸ばした状態で坐っていることである。※過去七仏―釈尊の前に六人の真実...
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正法眼蔵 三昧王三昧 8
釈尊の説法(大智度論より引用)について道元禅師が注釈されます。この様な「大智度論」の記述から次の様な事をはっきり知ることが出来る。坐禅(結跏趺坐)をしていることが、まさに三昧王三昧(均衡のとれた境地の中でも最高に位するところの境地)である。この様に足を組み、手を組み、背骨を伸ばして坐禅をしていること自身が体験し真実に入り込むことである。別の言葉でいうならば、坐禅をしていること自体が悟りである。我々の日常...
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正法眼蔵 三昧王三昧 7
釈尊が説法を聞いているたくさんの人々に言われた。これまで述べてきた様な理由から我々は坐禅((結跏趺坐)をするのである。次に釈尊は諸々の弟子に対して、足の組み方、手の組み方、腰の伸ばし方を基準にして坐禅をせよと教えられた。ところが仏道を信じない修行者の間では、ある人は常に爪先立ちでいる事によって真実を得たいと願い、ある人は坐る事を避けて常に起立した状態で真実を得たいと願い、ある人は自分の足を首の後ろに...
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正法眼蔵 三昧王三昧 6
釈尊が説法を聞いているたくさんの人々に言われた。坐禅(結跏趺坐)を実行するならば、体も心も坐禅によって得られるところの均衡のとれた落ち着いた状態を実際に体験しているのである。その坐禅をしている姿は威厳もあり徳も具わっているところから、沢山の人々がそれを尊敬し敬う。坐禅をしている人の状態というものは、太陽が一切の世界を照らすのと同じように、その坐禅をしている人が普段であれば持ちがちな眠気や怠け心や憂鬱...